今回はFIBOの概要について説明したいとおもいます。
1.FIBO概要
FIBO Primer ドキュメント抄訳
以下のリンクは全文
https://spec.edmcouncil.org/fibo/doc/20180331_FIBO_Primer.pdf
FIBOの主要部品は以下で提供されます。
FIBOの構成要素(第一回目から再掲)
オントロジーとしては⑥である。オントロジーを記述したRDFをビジュアルにグラフィックで表現しているのが⑤.
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①Glossary
FIBOの用語集、人が読める形式の相互参照辞書 (HTML、.csV形式および.xls形式)。
②データ辞書
CSVとxls形式のFIBO用語のExcelデータ辞書
③ビジュアルオントロジー(V○WL)Webページ
各オントロジーのWebキュメンテーション(VOWLの表記法を使用)
④UMLモデル
FIBOの機械や人が読める形式のUML図(今後のOMGUMLプロファイルとして“SMIF"を使用)で情報連携を表現するのためのセマンティックモデリング図。
⑤FIBO-Vocabulary
FIBOにおける機械可読なタクソノミ(拡張SKOS - Standard Knowledge Organization System)
⑥オントロジーファイル
WebOntologyLanguage(○WL)の機械可読ファイルで、RDF等様々な形式で提供されている。
⑦LinkedDataフラグメント
特定のFIBOトリプルを検索する方法、またはクエリを実行する方法
⑧schema.org
FIBOから取得した用語で拡張された検索エンジンのWebページをマークアップするボキャブラリ群がURIで定義されているもの。
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- 以下それぞれの詳細
①Glossary FIBOの用語集、人が読める形式の相互参照辞書
Glossaryの中身としては以下 クラス、定義、シノニム、モデル生成定義がある。
・クラス:
概念が識別されるプライマリーラベル。
・用語定義:
専門家レビューにより作成された記述定義や場合により適切な機関または文書から提示された用語定義。
・同義語:
異なるビジネス分野やマーケットなどで、同じ概念として知られているコンセプトに係る用語ラベル。
・モデル生成定義(Model-GeneratedDefinition):
このコンセプトによって表現される概念の一部となるのに必要な条件設定する論理記述セット。これは以下のいずれか一つ:
-「一種の…」は、このコンセプトがサブタイプである1つ以上のコンセプトと識別される。
‐「以下の必要条件を満たす有効な事象」は、ある事象がその一連の事象のメンバーであるために必要な事実。
例えば、与えられたプロパティに対して少なくとも1つの値
(特定の型の可能’性がある)を保持する必要がある。
②FIBOボキャブラリー(用語集)
1)ウェブ検索
2)スプレッドシートで作業するための.csvとしてダウンロード
3)スプレッドシートで作業するための.xlsとしてダウンロード
③FIBOデータ辞書
Webから検索可能で、ダウンロード可能な.xls形式のデータ辞書。FIBOの各 クラスの概要と、それぞれに適用される操作フィールド(OWLの「プロパティ」と 呼ばれるデータ辞書単語を使用)を提供します。以下は、FIBOData DictionaryのダウンロードファイルサンプルとしてEquityの例です。ファイルを クリックすると、そのファイルがブラウザにダウンロードされます。
④Wizard for Documenting Ontologies(WIDOCO)
コンポーネントオントロジーごとに相互にリンクされたドキュメントのセットとして
FIBOを表示し、オントロジーのクラスが表現された図を表示します。
VOWLという単語でクラスを検索すると以下のようなグラフチャートが表示されます。
⑤UMLモデル図
FIBOは、UMLベースのセマンティックモデリング‘情報結合図(SMIF-The
SemanticModelingForlnfOrmationFederation)と呼ばれる標準的概念モデルを
利用しています。現在特定の製品として使用されているSMIFは、NoMagiclnc,
社のMagicDrawプラグインCameoConceptModeler(CCM)です。CCMは、OWLオントロジーの生成、インポート、編集が可能です。
⑥FIBOギャラリー(SKOS)
・用語、定義、およびリレーションを示す機械が可読な(lvIachineReadable)ファイルです。これらは拡張シンプルナレッジオーガニゼーションシステム(SKOS)形式で、FIBO内 のリレーションはSKOSコンセプトではなく標準"isRelatedTo"のサブプロパティーとし て表現されます。
.FIBOキャラリの機械が可読なファイルは、通常用語集または語章ツールとして特徴
付けられた一連のツール(Prot色g色等)に入力することを目的としています。これらのツー ルは、一般的に、ファイルの内容をビジネス面で表現するために使用されます。
⑦FIBOオントロジーファイル(OWL)
これらは、WebOntologyLanguageを使用するツール(Protege等)にロードするこ
とができ、次の形式で利用できます。
・タートル(dtf)
・]SON-LD(jsonld)
・ONQuads(nqzip):オントロジーごとに名前付き
⑧schema.org
FIBOから取得した用語で拡張された検索エンジンのWebページをマークアップするボキャブラリ群がURIで定義されているもの。
Fibo.schema.org v1.0 Proposal - Financial Industry Business Ontology Community Group
2.FIBO の構造について
Foundationと呼ばれる基礎部分の上に Business Entities(企業体)やFinancial Business & Commerce (金融業務と商務)や商品群(ローンやデリバティブ等)が構成されている。
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FIBOの構成要素について以下の項目について説明します。
①FIBOの仕様のそれぞれの格納場所
②FIBO Foundation
③FIBO Business Entities
④Financial Business and Commerce (FBC):
⑤Indices and Indicators
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①FIBO仕様が置かれている格納場所
FoudationやBE(企業体)、ローン、デリバティブの商品群の格納先が異なっている。
以下それぞれの格納先。
*This website とは
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FIBOの仕様に関する格納場所 (From the Wiki)
● Foundations (FND):
https://www.omg.org/spec/EDMC-FIBO/FND/1.2/PDF
● Business Entities (BE):
https://www.omg.org/spec/EDMC-FIBO/BE/About-BE/
● Financial Business and Commerce (FBC):
https://www.omg.org/spec/EDMC-FIBO/FBC/1.0/PDF
● Indices and Indicators (IND)
https://www.omg.org/spec/EDMC-FIBO/IND/1.0/PDF
***********************************
②FIBO Foundation
Specification Documents
https://www.omg.org/spec/EDMC-FIBO/FND/1.2/PDF
<全体の構成概要>
the FIBO Foundationsは以下図に示すようにメタデータ定義(以下3つ)を再利用してい
・ダブリンコアMetadataTermsStandard
・ The W3C Simple Knowledge OrganizationSystem(SKOS)
・The OMG Architecture Board's Specification Metadata Recommendation
ダブリンコアと異なり、RDFVocabularyとOWLは正式にインポートされているため、SKOSとthe OMG Specification Metadataは明示的にインポートされている。
FIBO Foundation (Specification Documentの抄訳)
金融業に固有のものではなく、財務の概念を定義するのに必要な一般的な概念を定義するもの。FIBO Foudnation(基盤)には、いくつかの基本的な法律、契約、および組織概念が含まれています。他の業界標準で利用可能な概念は含まれてないが、場合によっては、住所や国の概念などの参考のために「プロキシ」概念が含まれています。これらを含める根拠は2つあります。
①金融業務上のコンセプトは、一般的に、契約、コミットメント、取引、組織など、より一般的で非財務的な概念を特化した物です。これらはFIBO Foundationsに含まれているため、より特化したものは別途FIBO仕様内に定義されることがあります。
②金融業のコンセプトの特性は、国、管轄区域、住所などのような非財務的な概念との関係の観点からしばしばフレームワークを構成する必要があります。これらはFIBO Foundationsに含まれているため、他のFIBO仕様のプロパティからこれらを参照することができます。
FIBOのコンセプトは、次の2つの定義を使用して文書化されています。
・Web OntoIogy Language(OWL)を使用して表現され、概念として構造化されたオントロジーの定義、および他との関連付けされたもの。
・金融業界の語彙を用い概念を表現する自然言語定義。
③FIBO Business Entities
定義:
事業に従事するために商法に従って形成され管理される事業体アクティビティ
解説:
様々な国の法制度で定義されたビジネスエンティティには多くの種類があります。これには、企業、協同組合、パートナーシップ、個人事業主、個人トレーダー、有限責任会社、特定の信託および信託会社などが含まれます。 定義は、国によって、または州によって異なります。米国、英国、EU内のより広く認識されているタイプでは、地域別にFIBOで定義されています。しかしながら、特定種類のエンティティの定義上で、同等と記述されているものであっても、実際は管轄毎に異なります。
http://enWikipediaorg/wiki/Types_of_businessentity
Adapted from: Barron's Dictionary of Business and EconomicsTerms,FifthEdition,2012
④Financial Business and Commerce (FBC):
モジュラーオントロジーアーキテクチャーに対する包括的なアプローチは、FIBO Foundations [Foundations]仕様書に記載されています。金融ビジネスと商業(FBC)の仕様は、そのモジュラーアプローチとアーキテクチャを活用しています。
各モジュールは以下3つです。
(1)金融商品(Financial Instrument)
(2)機能エンティティモジュール
FIBO BE]の機能エンティティモジュールをさらに拡張する機能エンティティ
(3)Products and Services
[Foundation]の商品およびサービスモジュールをさらに拡張する製品およびサービス
(1)金融商品(Financial Instrument) 金融商品の基本的な概念を定義するもの。
Figure9-2 Definition of Financial Instrument
OntologyIRI は以下で定義されている。http://www.omg.org/spec/EDMCFIBO/FBC/FinancialInstruments/FinancialInstruments/
(FBC Specificationより)
(2)機能エンティティモジュール
このモジュールには、フォームとは対照的に、その機能として定義されたエンティティを記述するオントロジーが含まれます。
金融機関(例えば、銀行、投資会社、保険会社)などのサービス提供者、政府の規制機関および登録機関、ならびに決済機関などの一部のプロセスでその機能に関して記載されているエンティティが含まれます。
Business Registries
Financial Services Entities
Registration Authorities
Regulatory Agencies
(3)Products and Services
Financial Products and Services
Figure 9.38 - Financial Products and Services Class Hierarchy
⑤Indices and Indicators (仕様書の抄訳)
仕様書に含まれる指標および指標タイプは、一般的な有価証券およびデリバティブ契約に見られる用語を反映することを意図しており、関連する契約条件で明示された詳細内容を反映することを意図している。この理由から、そのような単位を他の単位と区別するために役立つ場合を除き、その単位が公表元によって配布される手法の内容は含まれていません。ビジネスセマンティクスの一連の仕様としてのFIBOの性質に沿って、例えば、特定の経済指標が、ある経済状態の指標を与えるケースがある。たとえそれを主張する特性がいくつかの操作上のユースケース。
この仕様のビジネス上のスコープは、金融業界の企業、規制当局、およびその他の業界参加者が金融サービス分野に関連すると考える市場および経済指標の範囲についてすべての用語です。
この仕様のスコープは、
•市場で公開された金利と経済パフォーマンスについて
•金利(貸出金利、銀行間金利、基準金利)、
•通貨間の為替レート、
•経済指標(インフレ率、国内総生産(GDP)、失業率)についての経済指標
•FIBO-INDの範囲内であるが、本仕様書には含まれていないが、
発行済み有価証券で組成されたバスケットによる市場インデックス、リスク感応度の高い債務バスケットに基づく信用インデックスなどが含まれる。
Figure 9.1 - Indicators Publication Concepts
次回はProtege等のOntology Managementに関するツールを説明しようと思います。